+ ESD:最新の内視鏡治療

+ EMR:内視鏡的粘膜切除術

+ 内視鏡検査の進め方 - 上部消化管内視鏡検査の進め方
- 下部消化管内視鏡検査の進め方
- 経鼻胃内視鏡検査の進め方

+ 当院の内視鏡設備 - 拡大内視鏡
- 経鼻内視鏡
- NBI内視鏡システム
- 上部消化管内視鏡
- 下部消化管内視鏡検査
- CO2送気装置
- デジタルファイリング・レポートシステム

+ よくある質問
 “院長ならどちらの内視鏡を選びますか?”

 日本は匠の国です。紛れもなく世界一の技術大国と思います。医学、ことさら内視鏡の世界でも同様です。1950年、胃の中の撮影に世界で初めて成功。その後オリンパス、フジフィルム、ペンタックス…等日本の光学器メーカーが世界で圧倒的なシェアを誇っています。治療の世界では1969年の内視鏡治療(ポリープ切除)も世界初でした。その後も内視鏡治療の世界では日本は世界をリードしてきました。なかでも内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が最新の手技です。内視鏡下に太さ0.3mm、長さ1〜3mmの電気メスを用いこれまでは不可能とされていた薄く広がるタイプのポリープ、早期癌を削ぎ取る技術です。深部への浸潤がない病変(根が深くない):早期癌ならば10cmにも及ぶ大きな病変も切除が可能になってきています。これも日本から発信、世界に広まってきている治療法です。1998年に発表され、現在徐々に国内各大学病院や基幹病院で導入施行されてきております。私も丁度その創世期に携わる事ができました。自治医大付属病院、宇都宮社会保険病院、茨城県立中央病院地域がんセンターを中心に治療にあたって参りました。また、ESDライブデモンストレーションセミナー(いわゆる日本のゴッドハンドと呼ばれる内視鏡医によるライブ治療)には自治医大消化器内科山本博徳先生の助手として繰り返し参加させて頂きました。また消化器内視鏡学会総会では当クリニック院長が豚の胃を用いたESDハンズオントレーニングでSTフードと針状メスを用いたESDについてデモンストレーションをさせて頂く機会もありました。また、ありがたいことに地域の先生方から声をかけて頂き早期癌の患者様がいらっしゃると治療に伺う機会を与えて頂いております。
 これまでに常陸大宮済生会病院、国際医療福祉病院、富山県かみいち総合病院、伊勢崎佐波医師会病院、宮城県涌谷町病院、埼玉新開橋クリニック、などから治療のご依頼を受けて参りました。
 当クリニック開業2009年10月以降も木曜の休診日には近隣の施設(大田原赤十字病院、黒須病院、那須南病院、古河赤十字病院、宇都宮社会保険病院)にて食道、胃、大腸の早期癌内視鏡治療(ESD)に伺っております。現在、月4−12例ほど治療の依頼を頂いております。
 ポリープの下に生理食塩水を注入しポリープを浮かせてからスネアで切除する(ワイヤで絞りながら通電切除する)方法です。以前は食道、胃、大腸の表在性病変の治療の中心でしたが、切除する大きさに限界があるため、現在は主に大腸の中程度までの大きさのポリープ病変の治療に用いられています。
 当院でも大腸ポリープに対してこの方法で治療するようにしております。当院では傷の部分にクリップや留置スネアを用い傷を縫い縮める事で出血等の偶発症を減らすように努めております。 当院では基本的に日帰りの内視鏡手術が可能です。
  • 午前中検査の方:前日の食事は夜8時頃までに夕食を済まして頂きます。就寝前までの水分摂取は制限ありません。起床時から検査までには水、茶程度であれば摂取可能です。特に血圧等の内服薬は通常通り服用して頂いて結構です。ただし、糖尿病の薬やインスリンは中止して下さい。
  • 午後の検査の方:朝食は8時までにお粥のみであれば食べて頂いて結構です。水分(水、茶等の透明なもの)は検査2時間前までであれば少量ずつ摂って頂いて結構です。
前処置:胃の中の泡を消すための水薬を飲んで頂きます。その後で咽頭麻酔を行いますが、当クリニックではのどの奥にどろっとした麻酔薬を溜めません。スプレー麻酔のみです。また胃腸の動きを抑える注射を致します。緑内障、心臓の病気、前立腺肥大、糖尿病のある方は申し出て下さい(こちらからも確認いたします)。
検査時のご注意事項
  • 検査時間は約5〜10分程度です。鎮静剤をご希望があればお申し付け下さい。検査後1〜2時間はリカバリーベッドで休んで頂きます。(ただしご自分で運転はご遠慮下さい。検査後の運転での事故は責任もてません)
  • 生検を受けられた方は検査後2時間は食事摂取をひかえて下さい。また検査後当日はアルコールや刺激の強い食事はひかえて下さい。生検した組織の病理結果は約1週間で届きます。
 基本、鎮静剤無しで行っています。鼻腔を拡張させるため、点鼻薬を鼻孔に散布します。5分たちましたら麻酔のゼリーを鼻に注入します。その後内視鏡画像を見ながら鼻から内視鏡を挿入していきます。通常の口からの内視鏡と比べ咽頭反射(オエッとなること)は明らかに少く、余裕をもってモニター画面を見ながら検査を受けることができると思います。もちろん組織検査も可能です。NBI(狭帯域光観察)の併用も可能です。
 前日の検査食は自宅でできる低残渣食(食物繊維の少ない食事)を食べてもらっています。前日の就寝前に下剤2錠内服して頂きます。検査当日は検査予定5時間前から腸洗浄薬(ムーベンという薬)をご自宅で2時間かけて服用して頂きます。初回で不安である方、御高齢の方や遠方の方はクリニック内で前処置を行っております(専用のトイレをご用意してあります)。排便が5-8回程度あり粒の混じらない水のような便になれば処置終了です。ご自宅で気分不快が出てムーベン飲みきれない時はクリニックに連絡下さい。便が出きっていないときには浣腸やムーベンの追加などを考慮します。
検査時のご注意事項  検査自体、内視鏡がスムーズに挿入されれば3-5分程度で深部大腸に到達、観察しながらカメラを抜いて参ります。送気に炭酸ガスを用いることにより、検査後の腹部膨満感は軽微です。また同日の大腸、胃内視鏡検査も可能です。基本的にはさほど苦痛が出ないことが多いですので鎮静剤等は使用してはおりませんが、検査途中でもご希望があれば鎮静剤(セデーション)の使用が可能です。検査中に切除すべきポリープが指摘されたときには声をかけてから治療に望みます。ポリープ切除は安全な内視鏡手術ですが、後日に出血する可能性が1/200以下の確率で認められると言われています。当クリニックでは治療で出来た傷の部分にはクリップ、留置スネア等を用いて出血の予防処置を行います。通常は問題なく経過いたしますが、治療後約7日はアルコール、熱い風呂、出張遠出、腹部に力のかかるような作業は控えて下さい。
拡大内視鏡:口からの内視鏡ですが、通常の内視鏡では観察しきれない病変の超微細構造を観察できる内視鏡です。NBI(狭帯域光観察)と組み合わせて観察することで消化管癌の範囲診断に力を発揮します。通常は基幹病院や大学病院で使用されるものです。私の専門分野であるESD:粘膜下層剥離術(消化管早期癌の内視鏡治療)の治療前には必ず必要な精密検査です。癌の治療後の経過観察にも有用です。  NBI+拡大内視鏡を用い消化器癌の患者様の術前精密内視鏡検査も行っております。
咽頭麻酔のみでも結構ですが、ご希望があれば静脈からの鎮静剤の併用をお勧めしております。
経鼻内視鏡:先端径5.4mmの極細内視鏡です。鼻からの内視鏡も随分普及して参りました。以前の経口内視鏡では咽頭反射が強く、もう絶対にやりたくないと感じていた方にお勧めです。これまでの内視鏡では恐怖心が先立ち検査そのものを拒否されてしまうことで病気の発見にたどり着かなくては本末転倒です。内視鏡検査の敷居を下げるためには非常に貢献していると思われます。
オリンパス社製の経鼻内視鏡3代目となる画質が向上した最新のもの(XP260NS)を導入しております。
NBI(狭帯域光)内視鏡システム:がんなど微細病変の早期発見や術前の病変範囲の精密診断などを目的に、病変の特徴である粘膜表層の毛細血管やわずかな粘膜の肥厚、深部血管などを、光の波長を制御することによって画像強調表示する最新の内視鏡ビデオスコープシステムです。
特に食道癌、胃癌、大腸癌の早期発見に威力を発揮します。
上部消化管内視鏡(胃カメラ):当クリニックでは細径(直径5.4mm)の経鼻内視鏡と経口拡大内視鏡が選択できます。
咽頭、食道、胃、十二指腸下降〜水平脚までの観察を行います。
健診でのバリウム検査でなんらかの異常(胃炎だけでも)を指摘された方はぜひ内視鏡検査をお勧めいたします。健診を行っている施設によっては早期癌の発見率はバリウム検査の100倍鋭敏である、とも言われています。ヘリコバクタ・ピロリ菌感染症等も内視鏡検査で確認が可能です。ピロリ菌存在の有無で今後の方針がガラリと変わります。また、ピロリ菌除菌済みの方も定期的な内視鏡検査をお勧めいたします。除菌により消化性潰瘍は出来にくくなりますが、癌が発生しなくなったわけではありません。タバコ+アルコール嗜好の方は食道癌のリスク大です。NBI+拡大内視鏡が食道癌を早期の状態で発見いたします。
早期癌で根が浅いうちに治療できれば癌で命を落とすことはありません!早期発見、早期治療で根治が可能です!私の経験、技術をすべてご提供いたします!
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ):健診での便潜血検査も有用な検査ですが、過信は禁物です。便潜血が陰性であることが、癌がないことの証明ではないのです。また便潜血が陽性であった際に痔が原因と思い込むことも要注意です。いずれにせよ検査の苦痛度は以前に比べて格段に低減していますので、大腸の病気が気になる際には1人で悩まずご相談下さい。自分1人の身体ではありません、40歳を過ぎたなら一度内視鏡による大腸点検を行うことをお勧めいたします。
通常は大腸ポリープが大腸癌の前段階であることがほとんどです。前癌状態か、早期癌で根が浅いうちに内視鏡で治療できれば大腸癌で命を落とすことはありません!!

 内視鏡はハイビジョン拡大内視鏡(+NBI)硬度可変タイプを用いています。挿入法は軸保持短縮法を用いています。一番つらさが出やすいS状結腸部を腸を伸ばさずに直線的に挿入する方法であり、ほぼ無痛で挿入が可能です。大腸最深部から戻りながら観察してきますが、これまでは送気に空気を用いていましたが、当院では炭酸ガス送気を用いています。検査後のお腹の張りがほとんど感じない方法です。ポリープが認められた際には切除すべきポリープかその場で判断し治療が必要なもののみ切除します。入院での内視鏡治療が必要な場合は、速やかにご紹介致します。院長が出張し執刀することも可能です。

CO2送気装置:内視鏡検査の際の送気に伴う腹部膨満感、痛みを軽減します。CO2は腸管からの吸収が空気の35倍速いため、検査後間もなく腹部の張りが低減します。吸収されたCO2は呼気から速やかに排出されますので安全です。
腹部超音波検査:空腹でいらして頂ければ検査が可能です。肝胆膵腎脾(膀胱 前立腺 婦人科付属器等)が観察できます。きちんとスキャンできればCT等よりも分解能に優れている放射線被爆のない優れた検査です。ドップラー超音波機能を備えています。
慢性肝炎、脂肪肝、胆嚢ポリープ、胆石、糖尿病 等指摘されている方は定期的な検査が必要です。
デジタルファイリング・レポートシステム:STSメディック社のレポート機能の充実したファイリングシステムを導入しております。フィルムの現像が必要ありませんので、検査後ただちに画像を見ながらのご説明が可能です。
 私も経鼻、経口内視鏡両方体験しております。正直、経鼻内視鏡検査の楽な事は認めます。しかし細径であるという構造上、画質や、洗浄、吸引能力は経口内視鏡には及ばないことは事実です。せっかく検査を受けるのであれば質の高い検査を受けて頂きたいというのが私の考えです。
実際には当院で施行されている患者様の経鼻、経口内視鏡の割合は1:9と経口内視鏡が多くなっています。これは、有症状であったり、健診等での2次検査で来院される方が多いため、当クリニックの役割を考え、精査内視鏡としては経口内視鏡(拡大内視鏡)で120%の精密検査として頂くことをお勧めいたしている結果と思います。ご自分の身体ですから、最善最良の検査を受けて頂きたく思います。
もちろん経鼻内視鏡は否定はしません。“御高齢であるのでなるべく負担をかけずに内視鏡を受けさせたい…”、“症状はないけれど一度内視鏡を受けてみたい”、“ピロリ菌がいるか調べたい”等々、いつでもご希望に添えるようにご用意はしてあります。